再生治療とは
1980年代より再生医学研究は始まり、現在では、失った歯骨や歯ぐきを、最新医療により蘇らせることが可能になりました。
歯科の分野は一般医科と比較して、再生させる組織の量が少なく、再生医学を応用しやすい分野といえます。
現在は歯周病で失った歯の周囲の骨や顎の骨、歯ぐきの再生などが行なわれており、将来は歯胚(歯の元になる種)を顎に埋め、再び歯を蘇らせることも可能になると思います。
歯の周囲骨の再生
歯周組織再生療法(エムドゲイン・リグロス)
歯周病で痩せて無くなってしまった歯の周囲の骨を再生する治療法で歯周外科治療の一つです。
アメロジェインというたんぱく質が主成分のエムドゲインや世界初の歯周組織再生医薬品である遺伝子組み換えヒト成長因子のリグロスを歯石やプラークを取り除いた根の表面に用いることで骨の再生を促します。
歯周病で歯の周囲の骨が溶け、支えが無くなった骨を増やすことで歯を残せる可能性が高くなります。
インプラントの周囲骨の再生
歯槽堤増大術(ジービィーアール法)
顎の骨に大きな欠損ができて、従来の方法では骨の高さや幅が不足していてインプラント治療ができない場合に骨の欠損と歯ぐきの間に特殊な膜(メンブレン)を埋め込み、骨の高さ、幅を増大させる方法で、この処置が応用されるようになりインプラント治療の適応症例(インプラント治療ができるようになる症例)が大きく広がり成功率も高くなっています。
上顎洞底挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)
インプラント治療を希望されても上顎洞底(鼻の空洞の一部)が解剖的に低い位置にある人にはインプラントを埋入する骨の量が少なく適応できなかったのですが、この上顎洞に骨移植をすることによりインプラントの埋入が可能になります。
歯ぐきの再生
結合組織移植術
歯肉が痩せて歯が長く見える、歯ぐきの色が悪いなど、歯と歯ぐきのバランスが悪く、せっかくの笑顔が台無しになる場合があります。歯周形成外科で痩せた歯ぐきをもとの状態に改善することができます。